今回は新着の搾りたてと当店で熟成管理したお酒を楽しみました。お料理は妻が手づくり致しました(筍の佃煮のみ京都みやげ)。
お酒は冷やし過ぎないように,冷蔵庫から出した後は一切保冷せずにそのままにしておきました。すべて原酒のため,ふくよかさを出すには冷やし過ぎは禁物と考えたからです。
「倭小槌 大吟醸原酒十号仕込み」は去年の出荷です。出荷当時はこの蔵元にしてはエレガントな味わいでしたが,約一年の熟成により力強さが加わりました。
「秋鹿」の2種類は,当日着いたばかりで粗かったでしたが,酒質がしっかりしているので面白いと思いお出ししました。特別純米は山田錦の67%精米です。酸味がとてもしっかりしていて発泡性も残っていてとても面白いです。時間が経つにつれて円やかさも出てきて酒だけで十分に堪能できる味わいです。こういう酒を飲むと米を削る事の意味を考えさせられてしまいます。山廃純米吟醸はとにかくドライでなかなかハードな味わいです。あと半年から一年熟成させたいところです。あらかじめデカンタージュすれば一時間ほどすると味わいがほぐれてきてやんわりとした旨味が少し顔を覗かせてくれます。
「満寿泉2001年」。今年のこの酒はハンパじゃありません。去年はとても上品に仕上がってすごく美味しいと思いましたが,個人的には今年の味わいの方が素晴らしいと思います。味わいの密度がこれでもかと言うばかりに高いのですが,それが一切嫌味にならずに品さえ感じられるのです。抜栓直後より少し時間が経ったほうが,切れのいい酸味と甘味が出てきて,まるでドイツワインのようです。「満寿泉1998年」。脱帽と言う感じです。あらゆる味わいが昇華されてきています。まろやかでこれこそ米のエキスです。舌からノドへ存在をアピールしながら滑り落ちていきます。Hさん曰く「また買っとかなきゃいけない酒が出てきちゃったよ〜」。確かに日本酒愛好家たるものこれを見逃す手はないなという気がします。
食べ物も季節感の感じられるものを,妻がたっぷり料理しました。今回は「精進割烹
すぎうら」という感じでしたね。食材や調味料は当店で販売しているものと原宿のナチュラルハウスで調達しました。皆さん御飯が美味しいと喜んでくださいました。この御飯をつまみに「満寿泉1998年」を飲むとうまい!
|