今回は「吟奏の会の雄 倭小槌」がテーマです。
倭小槌を醸す井澤本家さんは,流行に媚びない酒造りを頑なに守っています。いわゆる端麗辛口ではなく,米の味わいを出し切ったコクのある辛口酒にその真価を発揮します。今回は同じしこみのタンク違いと,製造年別の飲み比べです。
大吟醸原酒は鑑評会用の仕込みのタンク違いです。当店の冷蔵庫で一年冷蔵貯蔵しています。
6号タンク 華やかな香りで,この蔵らしいしっかりした酸とまろやかな旨味が美味しい。
13号タンク 香りはしっかりあるが,6号に比べ味わいが鋭角的。
ほとんどの方が6号タンクに軍配を上げました。私も6号が良かったですね。
純米大吟醸原酒 2001年 今年は新酒のうちから軽やかに飲めます。例年に比べると酸はあまり感じずに,あっさりして辛口に感じます。今でも美味しいけど,もっと熟成させたいですね。
〃 1998年 黄色味がかって,いかにも熟成しましたという色合いです。口に含むととてもまろやかで甘くさえ感じさせます。かなりの熟成感を感じます。酸味も強くなく,貴腐ワインのような味わいになっています。これはあまり冷やさずに飲んだほうが,この芳醇な味わいが満喫出来ます。しみじみと美味しく感じる銘酒です。
|