一人ひとり違う生活の中で、ひとつだけ平等に存在するもの、それが”時間”である。時間とは何か、その疑問に答えはない。
「十九年」と容易に口にはできるが、その時間の長さは想像以上になにも変わらずに、そしてすべてに変化をもたらすことができる。その時間という概念を証明するに充分な原酒が、筑後・田主丸で眠り続けていた。
「紅乙女 萬ろく」。自然に囲まれた耳納山麓の貯蔵庫の中で静かに熟成を続け、いつか世に出るそのときのためにじっと時を過ごしたその原酒は、もはや焼酎という域を超え独自の存在感を持つ。
十九年もの間、たった一つの「特別な酒」になるために・・・。
紅乙女酒造の創業以来受け継がれてきた「百術不如一誠(百の術策より一つの誠)」のもと、丁寧にじっくりと熟成され歳月を積み重ねてきた萬ろく。
口に含むと優雅で芳醇な香りとともに、十九年の歴史が呼び起こすロマンがそこにはある。なにも加えない純粋たる味わいに、あの頃の思いがよみがえる。
紅乙女の心と歴史を、あなたにも。
さすが、宣伝コピーは違いますね…。浪漫があります。
以下は私の駄文ですが、お読み下さい。
この「萬ろく」の案内は直接蔵元からのDMで知りました。
一応、雑誌やインターネット上で、本格焼酎に力を入れていると思われる酒販店に限定したとのことです。
「胡麻焼酎の十九年物か〜、一体どんな味になるんだろう?」。最初に感じた印象でした。
DMを読むと、希望すれば試飲させてくれると書いてある。こりゃ、頼まなきゃということで、すぐさま東京支店にお願いのFAX。
すると数日後、東京支店長さんがじきじきに来店してくださいました。ちゃんと「萬ろく」を持って…。
この「萬ろく」は常圧で蒸留され、タンクで創業の年から貯蔵されたそうです。
私は、「十九年熟成物で100%だったらこの価格は安すぎるんじゃないですか?」と聞きました。
支店長さん、「確かに、この価格は安すぎると思います。原価を積み上げていったら、この価格設定はできません。でも、もしこれが三万円だったらお客様は買ってくださいますか?売れないで、棚の肥やしになるのなら、安くしてでも皆さんに飲んでいただきたいですね!!」
うれしいじゃないですか!!このお言葉!!
さらに、試飲用のグラスにたっぷりと「萬ろく」を注いでくださいました。
ノドが鳴る〜!!
香りを嗅ぐ。
あまりインパクトのある香りはないが、奥底でうごめくように複雑な香りがする。43度のアルコール度数からか、目にしみるような感じもする。タンク熟成なので、色合いは無色透明。
口に含む。
キリリと締まった感じで口の中に入り、下の奥にじわ〜と広がり、口中を奥から味わいが波のように押し寄せてくる。少し胡麻に由来するのか、オイリーな味わいもある。キリリと酸味のようなものも感じる。
なにも言わずに飲まされたら、泡盛の古酒か常圧の米焼酎の古酒のように感じる。
長期熟成すると、米麹の味わいが前面に出てくるので、このような味わいになるらしい。
ストーレートはハードに男酒という感じです。
オンザロックにすると、このキリリと締まった「萬ろく」が、やさしく甘やかな味わいに変化します。
まるで、雪に閉ざされた大地が春の雪解けとともに緑が芽吹くような印象です。
一気に女性的な印象に変わります。
いや〜、うまいですよ!!
こんなにうまい焼酎は人にプレゼントするのではなくて自分で飲みたくなりますね。
当店への入荷は6本のみです。
お早めに・・・。
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