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この日は暑かったのでパニエ ロゼ ブリュットをまず最初に出しました。白とは違い,果実のボリューム感のある旨みと酸味が旨くバランスがとれていて,シャンパーニュに慣れていない方もおいしく飲めました。時間が経つとより一層のコクが出てきて,赤ワイン的なニュアンス(渋味)も感じられ,これ1本でフルコースをまかなえるほどです。ただ,熟成香は比較的少ないので,お肉でもジビエ系にはつらいかも知れません。2番目のイタリアのシャルドネは,果実のさわやかさを強調した,フランスで言えばマコンタイプです。ヴェネトと言えば真っ先に「ソアーベ」の名前が上がりますが、このシャルドネを飲んだら,大概のソアーべは飲めないですね。フルーツの味わいが満喫できるワインでした。お次は一気に飛躍して,ブルゴーニュを代表する「シャサーニュ・モンラッシェ」から1級の「ル・シェヌボット」です。2番目と同じ葡萄を使いながらも,由来も造りも違うワイン。'95と5年の歳月が経っていますが,いまだに若い!新樽からくるスモーキーなフレーバーが強く,果実味がやや消され気味です。ただ,濃縮感はハンパではなく,これを飲んだら2番目には戻れません(当たり前か…)。こういう出し方をした意図は,今回はあまりワインを飲んだ事がない方がいらっしゃったので,同じ葡萄で造ったワインでもこれだけ味わいが変わるという事を知っていただきたかったのです。「ポッジオ・アイ・キアーリ’97」これはたった300ケースしか生産されません。サンジョベーゼ100%で醸されています。完熟した果実の香りが強く,味わいもとても濃いのですがピュアな味わいが印象に残りました。このピュアさはどこから来ているのか?「オルト・ディ・ボッチオ'96」こちらも生産量が7,000本と少ないです。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン,メルロー,サンジョベーゼがそれぞれ三分の一ずつです。4番目と同様に濃いのですが,ブレンドされているせいか複雑性があります。時間の経過と共に,さまざまな味わいが出てきてとても味わい深くなってきました。最後は「シャトー・レオヴィル・ラスカーズ」のセカンドワインの「クロ・デュ・マルキ'96」です。さすがにスーパーセカンドのセカンド!一同口に含んだ瞬間に「う〜ん,やっぱりこれだよね!香りが違うね!品があるよね!」です。確かにそれは言える。それにドライな味わいの中にコクもしっかりある。ミルキーさというかオイリーさというのか?そう言う味わいも感じる(クロ・デュ・マルキってこんな風味合ったかな?)。'96で非常に若いけど飲める!なんか,最後はやっぱりメドックか!ていう雰囲気が流れました。でも,3時間後は果たして?意外や意外,「オルト・ディ・ボッチオ'96」がいいんですよ!価格を考えても,「クロ・デュ・マルキ」の半分!私はこちらに軍配を上げますね!トスカーナの底力がまざまざと感じられた一夜でした。 |
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