今回も前回に引き続きテーマは「葡萄品種」です。
「アルネイズ」。基本的に酸のきれいな爽やかな味わいが特徴。この作り手はややソフトに仕上げて,今現在はちょうど飲み頃という感じです。長期熟成を目指さず,早めに飲むほうが特徴が生かせます。今,一番美味しい時です。
「リースリング」。リースリングと言えば,まず最初にドイツが上りますが,ドイツとライン川を挟んであるアルザス地方も素晴らしいリースリングのワインを生み出します。きれいな酸と切れ味の素晴らしい勢いのある味わいは今の季節から夏まではまさに独断場と言う感じですね。フレッシュのハーブを使ったお料理や野菜,山菜･白身のお魚と幅広い相性が楽しめます。一家に必ず1本は常備したいワインです。
「ジンファンデル」。一時期イタリア原産といわれましたが,今ではカリフォルニア固有の種というのが定説となっています。果実味のたっぷりとある,ある意味で一番カリフォルニアらしいワインとなります。トリアのこのジンファンデルはジンファンデルとしてはスタイリッシュにまとまった一本です。十分な果実味が,今回お出ししたこだわりの缶詰「根室缶詰のさんまの蒲焼」にまさにピッタリ合いました。これはおすすめです。
「サンジョベーゼ」。イタリアのトスカーナ地方で最大の魅力を発揮し,実際に偉大なワインが数多く産み出されています。今回はサンジョベーゼの新天地であるカリフォルニアのものをテイスティングしました。トスカーナの偉大なサンジョベーゼは動物臭のようなものを感じさせますが,ここカリフォルニアは,まさにカリフォルニアしています。たっぷりした果実味と、コクのあるタンニンが旨く調和しています。ブラインドだったらこの葡萄は当てられないのではないでしょうか？ただ,旨いか不味いかと問われれば,迷うことなく「旨い！」と言えるワインです。抜栓後の持続力もかなりあります。
「シラー」。コート・デュ・ローヌとオーストラリアで偉大なワインを産み出す品種です。黒コショウを思わせる香りがこの品種を特徴づけます。アラン・ボゲはコルナスの第一人者です。まさに典型的なシラーの香り。非常に濃縮感があって濃いのですが,鋼のように引き締まっていて,なかなか果実の旨味がほどけて来ません。こりゃ,前日に抜栓しておいた方が良いですね。それかあと2〜3年はセラーで貯蔵が必要です。